歯医者な日々。
先日前歯の詰め物が取れた。
あまりにもしみるので慌てて歯科救急診療に行った。
そして改めて仕事の休憩時間に会社の近くに新しくできた歯科医院にいってみた。
内装もしゃれた感じで、スタッフの方々も若々しい。いい感じである。
待合室には先生の学位が賞状に入れられ飾られている。
この地方では最難関の国立大学医学部のものだ。
歯学部ではなく医学部というところがなんとも言えない。
診察室に入り、間仕切られたスペースのデンタルチェアに腰掛けていると
隣のおばあさんの話声が聞こえてくる。
どうやら前歯をきれいにしたいらしい。
しきりに「この年になってまで恥ずかしいんだけれども。」と繰り返している。
歯科医の先生が「そんな事ないですよ。人は快適が一番ですから。」と答える。
そう!そうなのだ!人にとって快適が一番。
結局「サル」でも「人」でも快適を求めて生きているのです。
進化とは何か?若い頃に科学雑誌で読んだ言葉を今も覚えている。
「適応に優位な遺伝情報のみが残る。それが進化だ。」
自分が今日と言う日を生きて、のんきに歯の治療に来ているのも
適応に優位だからなんだ。
江戸時代なら虫歯で命を落とす人もいたから。
この歯医者さんの洗練された建物も、感じのいい照明も
すわり心地の良いデンタルチェアも
全て人類の適応に対する優位さによってもたらされたものなのだ。
快適さを追い求めて適応しようと努力する。
高学歴高収入を求めるのも適応のひとつか?!
そして老い。死んでいく。
処置をしてくれた歯科衛生士のお姉さんの目が
被せられたタオルの隙間から間近に見える。
その若くて生き生きとして、うるうるでキラキラの目を見た時
思わずさっきのお婆さんを思い出した。
今は自信に満ち溢れているこの娘も老いたらお婆ちゃんのように
少し恥ずかしげに体裁を気にするようになるのだろうと。
生きるって不思議だ。だけど美しい!!
うるうるの目にドキッとできるし、お婆さんの老いにも情緒を感じる。
La vita è bella !!
明日もきっと良い日になる。